[イベント・研究会情報] 一般の方向けイベント

世界脳週間2020@国立精神・神経医療研究センター

 国立精神・神経医療研究センターは、精神疾患、神経疾患、筋疾患、発達障害などの克服を目指す国立研究開発法人です。当センターは、NPO 法人脳の世紀推進会議が運営している「世界脳週間」イベントに毎年参画しています。このイベントは、脳の研究を良く理解してもらおうという国際的な運動である世界脳週間の活動の1つで、当センターでは高校生の皆さんに脳・神経・筋とそれらの病気の最先端の研究をご紹介しています。
 今年度は、オンライン開催として、下記のように講演と、研究紹介・研究者との交流のプログラムを用意いたしました。是非ご参加ください。

2021年3月13日(土曜)13:00~15:00 オンライン(Zoom)開催

受付開始
13:00
【ご挨拶】
13:25
【講演】
13:30~14:30
講演1「小児科医の私が伝えたい筋疾患研究の魅力」
大久保 真理子(疾病研究第一部・東京大学医学部附属病院小児科学講座)
私は小児科専門医取得後、サブスペシャリティとして小児神経を勉強 するため、当センターの小児神経科レジデントとして小平に来ました。それから7年、気がつけば筋疾患研究の世界にはまり、大学院卒業後も研究を継続しています。
臨床一筋だった自分がなぜこの道に進んだのか、どんな世界なのか、皆さんに少しでもお伝えできればと思っています。
講演2「“神経細胞の旅立ち”を科学する研究者のはなし」
有村 奈利子(病態生化学研究部)
人にも神経細胞にも、通い慣れた場所や生まれた所からの旅立ちがあります。そんな若い神経細胞の旅立ちをテーマに研究をしている脳科学者の、日常と最新の研究成果を、わかりやすくお話をしたいと思います。脳科学の何が面白いのかをお伝えできれば、と思います。
【研究紹介・研究者との交流】
14:30~15:30
 「研究」ってどんなもの?現場の研究者の話を聞き、交流することができるこの機会を通して、研究の楽しさを感じてください。5つのグループのいずれかに参加して頂きます。(申し込みの際に、参加希望グループをお尋ねしますが、人数調整により、ご希望に添えない場合もあることをご承知おきください。)
<グループ1>
  • 脳の数理モデルを用いて精神障害の病態に迫る(疾病研究第七部)
     疾病研究第七部では、認知や判断といった脳の機能を、数式を使ったモデルで表現することで精神障害を理解する“計算論的精神医学”という新しい研究手法を用いた研究を行っています。人工の神経回路モデルを脳とみたててヒューマノイドロボットを駆動する神経ロボティクス実験や、深層学習などの AI 技術を用いた最新の研究について紹介します。
  • 自己の源泉としての脳の探求(児童・予防精神医学研究部)
     行為主体感とは,行為が自分によって引き起こされたという感覚です.統合失調症でみられる考想化声や作為体験(させられ体験)といった症状もこの感覚の障害として捉えることができます。ここでは,行為主体感についての最新の研究やマーモセットと人間との比較についてお話しします。
<グループ2>
  • 心弾む遺伝子治療~exon "skipping" therapy(遺伝子疾患治療研究部)
     当研究部も開発に携わったデュシェンヌ型筋ジストロフィー(難病)の治療薬を題材に、 高校の授業でも習う遺伝子というものに理論的にアプローチすれば薬の開発にまでつながることを短時間で実感してもらいます。
  • 操作して知る、脳の神経回路の役割と精神疾患とのつながり(精神薬理研究部)
     脳の神経回路は遺伝情報に従って形成され、生後の環境の影響を受けて柔軟に変化し、記憶や感情などの高次機能を制御します。我々は、ストレスや遺伝子異常が神経回路機能にどのような影響を与え、様々な精神疾患を招くのかについて明らかにする研究を行っています。
<グループ3>
  • ヒト脳神経イメージング技術で分かること・できることー脳活動の計測からブレイン・マシン・インターフェースの応用へー(先進画像研究部)
     脳波、核磁気イメージング(MRI)などを用いた脳計測技術を紹介し、その技術を基盤としたブレイン・マシン・インターフェースの実験風景を御覧いただきます。
  • ヒトの脳に切り込む外科 ~機能的脳神経外科の世界~(脳神経外科)
     ヒトの大脳は予備能が大きく、機能的に異常を呈している脳を切除したり、あるいは電極を刺入して電気刺激を与えて調整したりすることで、機能を改善させることができます。ヒトの脳、そして患者の人生に介入する機能的脳神経外科の世界を紹介します。
<グループ4>
  • 神経ー免疫ー血管研究の融合による神経疾患の病態解明研究(神経薬理研究部)
     脳神経疾患の研究は、脳内の神経系細胞の機能解析を中心に進んでいます。一方で病態では脳内でも免疫系や血管系の動態が大きく変化し、その変化が神経細胞に影響を与えることで種々の機能を調節することがわかってきました。ここでは当研究部で進めている神経・免疫・血管研究の一部を紹介します。
  • 精神・神経疾患の発症メカニズムの解明(病態生化学研究部)
     私たちは自閉症、てんかん、脳腫瘍、小脳失調などの疾患がなぜ発症するのか、マウスやラットを用いて原因を調べています。
<グループ5>
  • 中枢神経系の病気は神経研究だけで理解できるか?(免疫研究部)
     免疫研究部では、中枢神経疾患と免疫系の異常との関わりを調べています。神経変性疾患、精神疾患、発達障害など、一見神経の異常が原因としか考えられない病気にも、免疫系の異常が関わります。免疫というフィルターを通すと神経疾患がどう見えるか、様々な角度から紹介したいと思います。
  • 神経突起構造のダイナミズム(疾病研究第五部)
     神経細胞は、情報伝達のための長い突起を持つのが形態的な特徴です。神経細胞の突起構造がその形を変えることは、神経系の形成、記憶・学習、さらに、老化・病気の進展にもとても重要です。ここでは、神経細胞構造の制御に関する研究と、このメカニズムの理解を病気の治療に結びつけるアプローチについてご紹介します。
  • ご参加には、事前申し込みが必要です。
     申し込みは https://forms.gle/y9wdCKYjkYj99yGo7
  • 今回は、参加を希望する生徒ごとに、個人単位での申し込みをお願いいたします。
  • 申込時にご連絡頂いたメールアドレスに、本イベントの Zoom 接続情報などをご連絡いたします。申込締切は2月末日としますが、申し込み人数によっては締切日の前に受付を終了することがあることをご承知おきください。
参加費
無料
対象
高校生
主催
国立精神・神経医療研究センター、NPO 法人脳の世紀推進会議
問い合わせ先:
事務局 E メール: ncnppns@gmail.com
<個人情報の利用目的について>
ご提出いただいた個人情報は、「世界脳週間2020@国立精神・神経医療研究センター」の運営・事務 連絡に関する目的のみに利用します。
 

Poster

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