[公募情報] 研究員・教職員募集

UC Irvine Igarashi lab Postdoc/Research Associate募集

カリフォルニア大学アーバイン校医学部 五十嵐研究室 www.igarashilab.org では、カリフォルニアでのコロナウイルスによる制限が大幅に緩和されたことに伴い、(1)高次嗅覚・記憶機能の脳回路メカニズム解明、または (2)アルツハイマー病の脳回路メカニズム解明に携わるポスドク・シニア研究員を1-2名募集します。
1. 高次嗅覚機能の脳回路メカニズム解明
嗅覚と記憶は機能的にも解剖学的にも密接に結びついた脳機能ですが、高次嗅覚野(olfactory cortex)やこれと接続した嗅内皮質(entorhinal cortex)において匂いがどのように認識され、記憶されるのかはほとんど分かっていません。私たちはこれまで外側嗅内皮質(lateral entorhinal cortex)に焦点を当てて研究を行い、嗅覚記憶のメカニズムを明らかにしました(Igarashi et al., Nature 2014)。本プロジェクトでは外側嗅内皮質と、接続・隣接する領域の機能、神経修飾系機能の解明を目指しています。
2. アルツハイマー病の脳回路メカニズム解明
アルツハイマー病は、これまでの研究から多くの分子・細胞要因が明らかになってきましたが、どのような脳回路の失調が記憶障害を引き起こすのかはほとんど明らかになっていません。失調している脳回路機能が同定できれば、記憶障害のある患者さんの症状を改善できる可能性があります。私たちはこれまでに、海馬の場所細胞によるリマッピング機能が失われることが空間記憶障害を引き起こすこと、リマッピング機能の失調に先立って内側嗅内皮質のグリッド細胞の失調が生じることを明らかにしました (Jun et al., Neuron 2020)。本プロジェクトではこの発見を足掛かりに、リマッピング失調を引き起こす原因の解明を目指しています。
参考文献:
Igarashi et al., Nature, 510:143-7 (2014)
Igarashi, Curr Opin Neurobiol. 35:163-168 (2015)
Nakazono et al., Front Syst Neurosci, 11:48 (2017)
Nakazono et al., Neurosci Res, 129:40-46 (2018)
Jun et al., Neuron 107:1095-1112 (2020)
私たちの研究室は発足して5年が経ち、3つのNIH R01グラントによる安定的なサポートのもと研究を進めています。上記プロジェクト以外にも、新しいプロジェクトを行うことも大歓迎です。より詳しくプロジェクト内容について知りたい方は、気軽に五十嵐まで問い合わせてください。
研究室で学べる技術
上記の研究を行うため、研究室では以下の技術を主として用いています。
  • 空間記憶・嗅覚記憶タスク(研究室で開発した記憶タスクを用いています)
  • 64チャネル in vivoオプト電気生理学(opt-tetrode recording)
  • Fiber photometry calcium imaging
  • Optogenetic manipulation (タスク中の細胞活動の抑制・刺激)
  • ウイルスによる脳回路マッピング
これらの実験を細胞種特異的に行うため、数十種類のマウスラインを用いて研究を行っています。また、複数領域から記録・操作を同時に行うための技術開発も行っています。
応募資格
  • 神経科学分野において博士取得(見込み)で、一報以上の筆頭著者論文を持つ、もしくは持つ見込みの方。
  • in vivo電気生理学を習得している、もしくは習得する意欲のある方。
  • 採用されたのち、数年在籍して主要誌に論文を発表する意欲のある方。
研究環境
UC Irvineは、記憶・アルツハイマー病研究分野ではトップレベルの実績を持つ大学です。研究室の属するCenter for the Neurobiology of Learning and Memory (https://cnlm.uci.edu/ )が主催するLearning & Memory Meeting (http://learnmem2018.org/)には世界中から記憶研究に携わる主要な研究者が集まるなど、記憶・アルツハイマー病研究のメッカとして知られています。
住環境
  • アーバイン市はロサンゼルス郊外にあり、毎年全米で5位以内に入る治安のよい街です。
  • アメリカの大都市では家賃が高価なため留学生活の妨げになることがありますが、UC Irvineでは大学構内にポスドク用のアパートを用意し比較的安価に生活できます。
  • アーバインでは日本食材が手に入りやすく、国内と変わらない生活ができます。
  • 南カリフォルニアの風光明媚な気候のもと研究・生活できます。
待遇
カリフォルニア大学の給与規定により、博士号取得後の経験により給与が異なります。PhD取得直後のポスドクの月給はおよそ$4,200、一年目は単年契約、二年目以降は複数年契約となり、更改の際には昇給があります。
採用時期
通年で採用していますので、相談してください。COVID-19による制限は大幅に緩和されましたが、採用に通常より時間がかかることを考慮してください。
応募方法
  1. これまでの研究の概要、今後の研究の目標とキャリアゴールを記したカバーレター(A4 1-2枚)
  2. CV
  3. コンタクト可能な推薦者2-3名の名前と連絡先
以上を一つのPDFファイルにして kei.igarashi@uci.edu までお送り下さい。COVID-19により面接等はオンラインで行います(渡航がより容易になれば面接に招待します)。質問等あればメールでお問い合わせ下さい。
五十嵐 啓 (Kei Igarashi, Ph.D.)
Assistant Professor
Department of Anatomy and Neurobiology
Center for the Neurobiology of Learning and Memory
University of California, Irvine
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