ポスドク研究員の募集(ケース・ウェスタン・リザーブ大学)
ケース・ウェスタン・リザーブ大学(米国オハイオ州クリーブランド)にて2020年1月より田渕研究室が発足致しました。それに伴いポスドク研究員を1名募集致します。田渕研究室(PI: 田渕理史) では脳機能の解明と制御を目標に研究を行います。脳は内発的に情報を生み出すことで,機能状態を自身で創り換えることが出来るシステムです。本研究室では,このような神経機能の発達と再構築における「自発性神経膜電位の時間構造の役割」について定量的理解を目指します。研究モデルは,ショウジョウバエの睡眠覚醒や栄養特異的飢餓の情報表現を対象とします。また,アルツハイマー病モデルのショウジョウバエを用いた神経変性疾患の病態生理の解析も行います。遺伝子発現から,チャネル電流,シナプス接続性,行動まで,異なる階層間の相互作用を解析し,どのような現象が脳の性能を決めているのか,その現象にはどんな分子が関与しているのか,その分子を制御すれば脳の性能を意のままに操れるか,という問いに答えることを目指します。
研究環境:
研究室には4台の電気生理計測系のセットアップを用意しており各室員の個別専用セットアップとして使用できます。研究室には明暗サイクルをプログラムできる別室があり,必要に応じて完全な暗室にすることができます。生化学実験や分子生物学的な実験を行うための個別専用ベンチスペースも整っています。必要に応じてケース・ウェスタン・リザーブ大学の学部生をパートタイム技術補佐員として配属いたします。学科の共通機器として共焦点顕微鏡や超解像顕微鏡を利用することができます。Sears think[box]と呼ばれるマシンショップセンターが研究室から歩いてすぐの場所にあり3Dプリンタや金属加工機械を利用できます。自分で作業しない場合でも,センター職員に作業を依頼することもできます。
Zoomを用いたバーチャル研究室見学も可能ですので,お気軽にご相談ください。
参考論文:
Tabuchi M#, Coates KE, Bautista OB, Zukowski LH. (2021). Light/Clock Influences Membrane Potential Dynamics to Regulate Sleep States Frontiers in Neurology in press (doi: 10.3389/fneur.2021.625369) #corresponding author.
Blum ID, Keles M, Baz ES, Han E, Park K, Luu S, Issa H, Brown M, Ho MCW, Tabuchi M, Liu S, Wu MN. (2021). Astroglial Calcium Signaling Encodes Sleep Need in Drosophila. Current Biology 31(1): 150-162.
Woolums BM, McCray BA, Sung H, Tabuchi M, Sullivan JM, Ruppell KT, Yang Y, Mamah C, Aisenberg WH, Saavedra-Rivera PC, Larin BS, Lau AR, Robinson DN, Xiang Y, Wu MN, Sumner CJ, Lloyd TE. (2020). TRPV4 Disrupts Mitochondrial Transport and Causes Axonal Degeneration via a CaMKII-dependent Elevation of Intracellular Ca2+. Nature Communications 11(1):2679.
Xie X, Tabuchi M, Corver A, Duan G, Wu MN, Kolodkin AL. (2019). Semaphorin-2b Regulates Sleep Circuit Formation in the Drosophila Central Brain. Neuron 104(2):322-337.
Tabuchi M, Monaco JD, Duan G, Bell BJ, Liu S, Liu Q, Zhang K, Wu MN. (2018). Clock-Generated Temporal Codes Determine Synaptic Plasticity to Control Sleep. Cell 175(5): 1213-1227.
Xie X, Tabuchi M, Brown MP, Mitchell SP, Wu MN, Kolodkin AL. (2017). The Laminar Organization of the Drosophila Ellipsoid Body Is Semaphorin-Dependent and Prevents the Formation of Ectopic Synaptic Connections. eLife e25328.
Liu Q*, Tabuchi M* (co-first author), Liu S, Kodama L, Horiuchi W, Daniels J, Chiu L, Baldoni D, Wu MN. (2017). Branch-Specific Plasticity of a Bifunctional Dopamine Circuit Encodes Protein Hunger. Science 356, 534-539.
Tabuchi M, Lone SR, Liu S, Liu Q, Zhang J, Spira AP, Wu MN. (2015). Sleep Interacts with Aβ to Modulate Intrinsic Neuronal Excitability. Current Biology 25(6):702-712.
参考ウェブサイト:
採用時期:
2021年9月(応相談)。
給与・待遇など:
米国NIHおよびケース・ウェスタン・リザーブ大学の規定に従います。PIは海外学振やNIH K99/R00 等に採択された経験があり,ポスドク研究員のグラント獲得についてもサポート致します。
応募資格:
神経科学分野で博士取得,もしくは取得見込みの方。分子遺伝学・生化学実験,膜電位イメージング・電気生理学実験,数値解析のいずれかの知識と技術があることが望ましいですが必須ではありません。
応募書類:
1) カバーレター, 2) CV, 3) 推薦者3名の連絡先, 以上3点をPDFファイルで送付ください。
応募書類送付:
田渕 理史 (Masashi Tabuchi, Ph.D.) Email:
masashi.tabuchi@case.ed